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vol.33

dフォトヒント

写真家の川野恭子とむらいさちの
ワンポイントレッスン

プロから学ぶ! お花をかわいく撮る3つのポイント

暖かくなり、色とりどりのお花がいっせいに咲きはじめる春。きれいな花を見つけると、つい写真を撮りたくなりますよね。だからといって何も考えずにシャッターボタンを押すと、ふつうの記録として写ります。でも、ちょっとしたことを意識するだけで、プロ顔負けのかわいらしいお花の写真が撮れます。

今回は、写真家のきょん♪さんと、むらいさちさんに、春の花をかわいく撮るポイントを教えてもらいました。

「シンプル」を意識して撮る

写真初心者の人が、オシャレでかわいい写真を撮る簡単な方法は「写真をシンプルにする」ということ。ファッションやインテリアも、要素を断捨離してシンプルにしたほうがセンスよく見えますよね(重ね着や柄物を着こなしたり、個性的な雑貨や家具を飾ったりしてセンスよく見えるのはかなり高度な上級者テクニックです)。そこで写真をシンプルにする3つのポイントをご紹介します。

ポイント1 たくさんある花の中から”美人”を決める

写真の主役は1つにしぼりましょう 。
花畑や桜並木のように花がいっぱい咲いている場面では、つい広い風景で切り取りたくなりますが、あなたが美人だと思う花(いちばんきれいだと思うお気に入りの花)を見つけましょう。

広い範囲を写してしまうと写真の中にいろいろな要素が入ってしまうため、何が撮りたかったか伝わらない散漫な写真になりやすくなります。自分が美人だと思った花だけにグッと寄って撮ると、あなたの “撮りたい”が伝わる1枚になりますよ。

こちらの写真は桜の花が中途半端にたくさん写り、どこを撮りたいのかわかりにくくなってしまいました。また、黒い枝が入ると存在感が強く花より目立ってしまいます。

かわいい花だけにグッと寄って、枝が見えない位置から撮影しました。お花のかわいい部分だけを写すことで、かわいさが引き立つ写真になりました。

ポイント2 背景にも意識を向けてみる

背景はシンプルなほうが、花の色や形がわかりやすくなり、お花のかわいさを引き立ててくれます。自分が動くことで、背景が変わります。主役になる花を見つけたら、背景を意識してどこから撮るか、撮影する場所を探しましょう。

青空が背景に来る位置を探して撮影すると、背景がシンプルになるのでおすすめです。花を下から撮ると、青空を背景に撮ることができますよ。こちらの写真は地面すれすれにカメラを構えて、スイセンを撮影しました。

同じ花でもカメラを構える高さやアングルをちょっと変えるだけで背景が変わり、写真の印象も変わります。こちらの写真は花と同じ高さにカメラを構えて、正面から撮影。空だけでなく海や砂浜も背景に入り、青から白の美しいグラデーションになりました。

黄色いミモザを主役に、葉っぱの深緑、空の青、木漏れ日のキラキラなどを意識して撮影しました。背景に落ちついた色を入れると、大人っぽい印象の写真になります。

主役の色と背景の色を同系色でまとめた1枚。桜のピンク色が画面全体を染め、かわいらしい印象になりました。

ポイント3 望遠で寄って背景をぼかそう

背景をぼかすと、主役がはっきり目立つだけでなく、写ってほしくない余計なものが見えにくくなるので、画面が整理されシンプルになります。また、ふんわり柔らかいボケが作れると、プロのような素敵な印象を与えることができます。

背景を大きくぼけた写真を撮りたい人は、(1)ズームレンズの望遠側を使う(2)撮りたいものにグッと寄る (3)撮りたい花と背景の距離を離す。この3つのポイントをおさえるだけでボケは簡単に作れますよ!

ダブルズームキットを買って望遠レンズを持っている人は、望遠レンズを使うとボケは大きくなるので、ぜひ挑戦してみたくださいね。

また、背景がボケた写真を撮りたい人は、Aモードで小さなF値で撮影するといいですよ。

こちらはスマートフォンで撮影しました。スマートフォンだと、アプリを使わずにぼけた写真を撮ることは難しいです。

撮りたい花を1つにしぼり 、背景をぼかすことでシンプルにまとめました。お花畑で撮影してもデジタル一眼カメラを使えば、大きなボケが作れるのでシンプルにまとめられます。

ワンポイントアドバイス

きょん♪「写真は明るく撮るほど色が薄くなります。お花は少し明るめに撮ると、色がパステルカラーになるので、かわいい印象になりますよ。ただし、明るくしすぎると真っ白になってしまうので、明るさは確認しながら調節してくださいね」

むらいさち「僕は明るいパステルカラーのかわいい写真が撮りたいので、暗い色が写真の中に入らないように気をつけています。写真を撮るとき主役ばかり見てしまうと、画面の端に余計なものが写っていることがあります。主役だけでなく、画面の隅々まで意識を向けるようにしましょう」

撮った写真はプリントしよう

スマートフォンのおかげで、いつでも気軽に撮影できるようになりましたが、その撮りたまった写真、プリントしていますか? 画面の中だけでなく、フォトブックやプリントなど、手に取れる形で残すと、宝物のように愛着が湧いてくるから不思議です。dフォトなら、月額280円でフォトブック1冊かL判プリント30枚を作れるので、宝物が毎月増えていく楽しみを味わえます。家に飾ったり、おじいちゃんおばあちゃんに贈ったり…と、思い出を見える形で共有するのも良いですよね。ステキな写真が撮れたら、ぜひ形に残してみてください。

川野恭子(きょん♪)

写真家。神奈川県生まれ。Steidl Book Award Japan 2016 ノミネート。システムエンジニアの職を経て、「空をより青く撮りたい」という思いからカメラを手にする。キッチンから野の花まで、日常の何気ない景色を独特の色と光で切りとる作風で女性からの人気が高まる。執筆や講師、トークショー、広告撮影など、多岐に渡り活動。最近では山に魅了され、山の美しさや、山をとおした死生観を女性ならではの視点で撮り続けている。横浜にて写真教室「Atelier photo* chocot 」を主宰。著書に『はじめてのデジタル一眼撮り方超入門』(成美堂出版)、『写真家きょん♪のふわっとかわいい「ゆるかわ写真」の撮り方ノート』(宝島社)、『子ども写真の撮り方手帖』(マイナビブックス)ほか多数。

むらいさち

沖縄でのダイビングインストラクターを経て写真の世界へ。水中をメインに、日本を始め世界の海を訪れる。最近では、水中からオーロラまで、地球全体をフィールドに撮影を続けている。独特の淡く優しいスタイルで「幸せな瞬間」を表現し続けている。著書に、写真集「ALOHEART」「LinoLino」「きせきのしま」「FantaSea」、写真教本「光と色の写真の教科書」、新刊に詩人谷川俊太郎氏とのコラボ写真絵本「よるのこどものあかるいゆめ」がある。

監修 笠原竜太